プレスリリース

2021-08-10

第1回 空き家所有者に関する全国動向調査(2021年)

中古住宅買取再生事業を展開する株式会社カチタス(代表取締役社長:新井健資、本社:群馬県桐生市)は、深刻化する空き家問題解決に寄与するため、2021年7月に初の調査として「第1回 空き家所有者に関する全国動向調査(2021年)」を実施し、調査結果を発表します。

◆調査実施の背景・意図
株式会社野村総合研究所の調査では2033年には空き家数は2150万戸、空き家率は30.2%まで上昇すると予測されており、これまで以上に空き家問題への対策が求められています。 一方、弊社は主に空き家を買い取り、再生して販売する事業を通じて累計6万戸以上の中古住宅販売実績を持ち、8年連続で買取再販販売戸数ランキング1位のリーディングカンパニーとして空き家問題に強い関心と課題感があります。そこで、今回の調査実施の前提として、国交省が実施した「令和元年空き家所有者実態調査(以降、国交省調査)」と、弊社への「中古住宅売却者の実態」に関する調査(以降、カチタス調査)を比較分析しました。その結果、国交省調査で空き家の大半が存在する大都市圏以外のエリアにおける弊社の買取実績は約9割であること、また「空き家の取得方法」についても、国交省の調査結果の6割弱、弊社の買い取り実績の4割強を相続・贈与が占めており傾向が近しいことが明らかとなりました。即ち、弊社の事業領域と全国の空き家実態には強い相関があると認識しました。そのような状況を踏まえ、加速する日本の空き家問題の解決により一層貢献するために、市場の状況や課題を捉えるべく「空き家所有者に関する全国動向調査」を実施いたしました。

(参考)「国交省調査」と「カチタス調査」の比較
■空き家所在地の大半を占める大都市圏以外のエリアと弊社買い取り実績

「国交省調査」空き家所在地の市町村属性と「カチタス調査」買い取り住宅所在地の比較

「国交省調査」空き家所在地の市町村属性と「カチタス調査」買い取り住宅所在地の比較

■空き家の取得方法も相続・贈与の比率がほぼ半数

「国交省調査」空き家の取得方法と「カチタス調査」買い取り住宅の(売主の)の取得方法 の比較

「国交省調査」空き家の取得方法と「カチタス調査」買い取り住宅の(売主の)の取得方法 の比較


■弊社へ売却される中古住宅は87%が空き家。
■売主の年齢は50代-70代が69%。
■住宅に置かれたままの家具家財道具(残置物)ありが58.2%。

カチタス調査_グラフ

「カチタス調査」

◆『第1回 空き家所有者に関する全国動向調査(2021年)』 

【調査項目】
1.    空き家の建物形態について
2.    相続登記義務化法案の認知度について
3.    相続登記義務化が施行される際の空き家所有者の現時点で考える対策について
4.    相続について家族、親族と相談したことがあるか
5.    空き家所有者が売却先へ求めること
6.    売却検討している方の選択肢について
7.    コロナ禍における空き家所有者の意識・行動変化
7.1.    コロナ禍における空き家の売却検討について
7.2.    コロナ禍における移住検討について
7.3.    コロナ禍における二拠点居住検討について
7.4.    移住・二拠点居住住宅の条件について


【調査まとめ】
⚫空き家の78.1%が「一戸建て」。2位のマンション(17.0%)と4倍以上の差。
⚫「相続登記義務化を知らない」が76.8%。
⚫相続登記義務化施行時に考える対策として、1位の「まだわからない」に次ぎ、4人に1人 が「売却する」と回答。
⚫空き家の相続について「家族・親族と話したことがない」が66.7%。
⚫空き家の売却先に求めることの第1位は「信頼・信用」となり、2位の「高く買ってくれる」に2倍以上の差をつけた。3位は「家具・家電等の残置物を処理してくれる」。
⚫売却検討している方の売却先の選択肢は「不動産仲介」が45.1%で1位。「買取再販会社」は16.2%で2位。
⚫コロナ禍における影響
1.    5人に1人の22.7%が「空き家売却」を検討。
2.    移住を考えている人(意識することが増えた+検討している)が13.7%、また、二拠点居住を考えている人(意識することが増えた+検討している)が16.2%。以前から移住・二拠点居住を検討している方も含めると5人に1人が移住・二拠点居住を考えている。
3.    移住・二拠点居住を考えている人が求める建物形態は45.5%が「一戸建て」、所有形態は78.4%が「購入」意向が強い。

【調査結果】
1.所有している空き家の建物形態
■空き家の78.1%が一戸建てであることが明らかに

空き家の建物形態

2.「相続登記義務化」の認知度
■空き家所有者のうち相続登記義務化を知らない人が76.8%。

「相続登記義務化」について

※相続登記義務化とは
2021年4月21日に不動産登記法の改正法により、相続の開始を知って、かつ、所有権を取得したと知った日から3年以内に所有権移転登記を行うことが義務化されました。
もし、正当な理由がないのにも関わらず、この申請を怠った時は、10万円以下の過料を求められます。

3.「相続登記義務化」が施行される際、現時点における対策
■44.8%の人が「まだわからない」を選択したが、4人に1人(25.5%)が「売却する」を選択。
2021年4月21日に法案が国会を通過し、施行が予定されている2024年までまだ3年あるものの、前項で76.8%が「相続登記義務化を知らない」という認知の低さは課題だと考えております。弊社としても制度の認知向上等の啓発に努めてまいります。

「相続登記義務化」が施行される際、現時点における対策検討状況

4. 空き家の相続について家族との対話有無
■66.7%が空き家相続について家族と話していない。
空き家は傷みが早く、相続した方による管理も大変ですし、放置された状態が続くと劣化も激しく資産としての価値も低減します。「いつか」ではなく「今」の問題として、放置された空き家になってしまう前に家族や親族と対話し、今後の利活用について検討されることの重要性を訴求していく必要があることを改めて強く認識しました。

空き家相続について家族との対話の有無

5. 空き家売却時、売却先に求めること
■圧倒的な1位は「信用・信頼」(68.3%)、4人に1人が「残置物処理」(28.0%)を選択。
1位の「信用・信頼」は、年代別に見ると50歳以上の世代は極めて数値が高く、中でも55歳-59歳は83.5%が売却先に「信頼・信用」を求めています。
また、4人に1人が残置物処理を求めていることがわかりました。1項の「弊社への中古住宅売却者の実態(参考)」で示したとおり、弊社へ売却される人の37.2%が住宅売却に合わせて残置物処理を希望されている実態からも、家具や家財など空き家に残された物を処分することが空き家所有者にとって大きな負担になっていることを実感します。

空き家売却時、売却先に求めること

6.売却検討している方の売却先の選択肢
■1位は「不動産仲介会社」45.1%。「買取再販会社」が16.2%なのは業態認知が低いことの表れか。
売却先としての「買取再販会社」の意向度は「不動産仲介会社」の半分に満たないことがわかりました。買取再販という事業形態がまだ一般に認知されていないからではないかと感じています。築年の古い一戸建ての空き家はそのままの状態では買い手が見つかる可能性が低く、弊社のような買取再販会社が買い取り、再生することで流通が活性化するのが実態なので、業態認知の向上が空き家流通の拡大には必要だと改めて認識します。
一方、年代別に見ると、25-44歳は、20%前後が「買取再販会社」を選択しています。若年層においては買取再販という業態が認知されており、不動産売却の選択肢が広がっていると考えられます。中古住宅の買取再販モデルが様々な年代のニーズに適した選択肢となるよう弊社としても尽力してまいります。

空き家売却時の売却先の選択肢

・参考:買取再販と不動産仲介の違い

参考:買取再販と不動産仲介の違い

7.コロナ禍における空き家所有者の意識・行動変化
■22.7%が売却を検討。
■二拠点居住・移住検討が増加傾向、求める住宅形態は一戸建、所有形態は購入がともに70%を超える。
昨今、首都圏から郊外・地方への移住、二拠点・多拠点移住が報道でも取り上げられています。弊社としても時代のニーズにマッチした住まいや暮らしの提案ができるよう、買い取った住宅をリフォームする際にはテレワーク環境を意識した設備や内装等に配慮しております。空き家の再生が二拠点居住や移住促進につながり、全国の地方創生に貢献できるよう引き続き取り組んでまいります。

7.1 コロナ禍における空き家所有者の売却検討状況
■22.7%が売却を検討

コロナ禍における売却検討

7.2 移住検討
■移住を考えている(意識することが増えた+検討している)が13.7%。コロナ以前からの検討も含めると5人に1人が移住を検討。

コロナ禍における移住検討

7.3 二拠点居住検討
■二拠点居住を考えている(意識することが増えた+検討している)が16.2%。コロナ以前からの検討も含めると5人に1人が二拠点居住を検討。

コロナ禍における二拠点居住検討

7.4 移住・二拠点居住をするとしたら求める建物形態・所有方法
■移住・二拠点居住を検討している70.5%が一戸建てを希望。また、移住・二拠点居住を検討している78.4%が購入を希望。

移住・二拠点居住をするとしたら求める建物形態・所有方法

<株式会社カチタス よりコメント>
今回の調査結果で空き家の78.1%が一戸建てであることからも、一戸建ての空き家を利活用することが、空き家問題解決には重要だと感じます。一方でマンションに比べ一戸建ては、シロアリや雨漏りなどが発生するリスクが高いため個人の方が住宅の質を判断することが難しく、また築年が古く建物や設備が劣化しているとそのままの状態では流通し難いため、空き家の大半を占める一戸建ての利活用は、買取再販事業者の介在価値が大きい領域だと考えています。
また、新型コロナウイルス感染拡大により、さまざまな業界で変化が訪れています。昨今メディアでも取り上げられているように、住宅業界では都心部から郊外へ移住するニーズが顕在化しています。弊社においても、都心部の賃貸住宅を出て地方の一戸建てを購入される動きが全国各所で発生しており、これまでに以上に地方の一戸建てにおける空き家の流通、活用に貢献しなければと考えています。
弊社に空き家を売却いただくお客様の中からは「コロナ禍で移動が制限され、遠く離れた空き家の管理に苦労していたが、売却して肩の荷が下りた」「緊急事態宣言により、相続で引き継いだ家に残された家具や家財の処分が出来ず困っていたが、残置物もまとめて売却できて助かった」という声が多数寄せられており、コロナ禍における弊社の提供価値が有意であることを実感しております。
本調査結果が、空き家の売却や中古住宅の購入を検討している方々の参考になれば幸いです。
また、これからも弊社は中古住宅買取再生事業を通じて深刻化する日本の空き家問題解決の一助となるように尽力してまいります。

<回答者属性>

回答者属性

【調査実施概要】
調査名  :第1回 空き家所有者に関する全国動向調査(2021年)
調査対象 :日本全国の空き家所有者
調査期間 :2021年7月28〜7月29日
調査方法 :インターネット調査
有効回答数:963人

【本件に関するお問い合わせ】
本調査結果に関する取材、調査データの引用、詳細データの提供等に興味のある方は、お気軽にご相談ください。
株式会社カチタス PR事務局 広報担当
E-mail: pr@fn2.katitas.jp